リノベーションに最適なリフォーム一体型住宅ローン|メリット・デメリット・実際の商品の特徴を解説
リフォーム一体型住宅ローンとは?どんなパターンで利用できる?
リフォーム、リノベーションには次のようなパターンがあります。
【工事のパターン】
また、リフォーム、リノベーションで利用できるローンの種類は次のようなパターンがあります。
【ローンのパターン】
リフォーム一体型ローン、リノベーション一体型ローンとは、中古住宅購入とリフォーム、リノベーションの工事費用を合わせて1つローンでまとめられるもので、この特徴から、中古住宅を購入して同時にリフォーム、リノベーションを計画している場合に有効と言えます。
リフォーム一体型住宅ローンのメリット

リフォーム一体型住宅ローンの2つのメリット
① 低金利での借り入れが可能
② 返済期間を長く設定できる
この2点により月々の支払いと総額を抑える点では金額的なメリットは大きいでしょう。
リフォーム一体型ローンと一般的なリフォームローンを表で比較すると次のようになります。
リフォーム一体型ローン | リフォームローン | |
金利 | 0.5%~1% | 2%~5% |
融資機関 | 最長35年 | 最長15年が多い ※15年以上の商品もある |
抵当権の設定 | 必要 | 不要 |
審査の難易度 | 厳しい | 通りやすい |
実際どれくらい金額が変わるのでしょうか
〈条件〉
借入額1500万円
①リフォーム一体型ローン
金利0.8% (例)返済期間35年
②リフォームローン
金利2%(例)返済期間20年
毎月の返済額 | 総支払額 | |
リフォーム | 40.959円 | 17,202,606円 |
リフォーム ローン | 75,882円 | 18,211,685円 |
月々の差額が 34.923円
総額の差額 1,009,079円
これだけ月々と総額で差がありますので金額的なメリットは大きいといえます。
その他リフォーム一体型住宅ローンのメリットして一つのローン契約なので手続きがシンプルということもあげられます。
住宅購入とリフォームのローンを別々に組むと、審査や契約が二重になりますが、一体型なら一つの契約で済むため、様々な手続きがスムーズというわけです。

リフォーム一体型住宅ローンのデメリット

一方デメリットは大きく3つ
①抵当権の設定が必要
②事前に工事の見積書・計画書が必要
③取り扱いのある金融機関が少ない
リフォーム一体型住宅ローンで知っておかなければいけないことは次のようなことです。
抵当権が設定されることのデメリット
一般的なリフォームローンは比較的金利が高く返済期間の上限が短めに設定されていますが無担保で借り入れることができます。
一方、リフォーム一体型住宅ローンは、住宅ローンと同じく低金利で長期にわたって返済できますので大きな金額の工事をする際には向いていますが、担保として土地建物に抵当権が設定され、支払いが滞ると家が差し押さえられるという事態になります。
事前のリフォーム計画が必要なことのデメリット
リフォーム一体型住宅ローンでは融資金額も多額になり抵当権も設定されますので、審査の時点で工事内容や見積もりを事前に提出する必要があります。
このことは、購入したい中古住宅が見つかった場合、そこを買うか買わないかを判断するスピードに大きく影響します。
つまり融資の承認、資金計画がまとまらないと購入の判断には至れません。
計画に時間がかかってしまうと、他の購入者に対象物件をおさえられてしまうということも考えられ、せっかく時間をかけて探した物件を購入できないという事態になりかねません。
一般的に必要なものは以下のような資料です。
取り扱い金融機関が限られることのデメリット
ローンの手間や管理、返済金額的なメリットが高い「リフォーム一体型住宅ローン」は実は取り扱っている金融機関が少ないのが現実です。
さらに、中古住宅購入とリフォーム工事を合わせて契約する場合、中古住宅購入時とリフォーム工事が終了した時点の最低2回、分割して融資を行なってもらうことが理想的ですが、そのような現実に則した融資条件の商品も少ないのが現状です。
購入したい中古物件がでてきてから金融機関などの情報の調査や審査に時間を費やしていたら購入機会を逃してしまう恐れがあります。
リフォーム一体型住宅ローンをご検討されるされる際は事前の情報収集はとても重要です。
リフォーム一体型住宅ローン商品例

では、リフォーム一体型住宅ローンの商品に関してどのような条件なのか具体的に紹介します。
みずほ銀行
変動金利 年0.525%~ 2025年4月
金利プランが多彩で、選択肢が多いのが魅力です。
固定金利 | 全期間固定31年~35年 年2.32%~ |
変動金利 | 年0.525%~(年0.5%~1%台) |
返済期間 | 35年以内(1年単位) |
借入可能額 | 50万円以上3億円以内 |
その他おもな特徴 |
※「中古住宅購入費用」と「リフォーム費用」の支払時期が異なる場合や 「借り換え」実行と「リフォーム費用」の支払時期が異なる場合等。 この場合、金銭消費賃借契約は二本となりますが、抵当権設定契約は一本になります。 |
その他詳細条件は公式サイトでご確認下さい
りそな銀行
りそな住宅ローン<リフォーム資金セット型>年0.640% 2025年4月
仮審査~ご契約までWeb完結が可能
固定金利 | 10年固定年2.285% |
変動金利 | 年0.640%~ |
返済期間 | 35年以内(1年単位) |
借入可能額 | 50万円以上3億円以内 |
その他おもな特徴 |
|
その他詳細条件は公式サイトでご確認下さい
フラット35リノべ
全期間固定金利 年1.940% 2025年4月
【フラット35】 リノベは、中古住宅の購入と同時に一定の要件を満たすリフォームを行うことで借入金利を一定期間引き下げることができます。
固定金利 | 全期間固定 年1.940% ※融資率や取り扱い金融機関で異なる |
変動金利 | なし |
返済期間 | ■15年(※1)以上35年 ※1 満60歳以上の場合は10年 ■15年以上80歳(※2)まで ※2 ・親子リレー返済の場合は後継者の年齢 ・年収の50%を越えて合算した収入合算者がいる場合は申込本人または合算者のうち高い年齢の方が基準 |
借入可能額 | 100万円以上8000万円以下※中古住宅購入価格とリフォーム工事費の合計額以内 |
その他おもな特徴 |
|
その他条件等は公式サイトでご確認下さい
借りるパターンも
「中古住宅を購入後に自らリフォームを行う場合(リフォーム一体タイプ)」と
「住宅事業者がリフォームを行った中古住宅を購入する場合(買取再販タイプ)」
があります。
「中古住宅を購入後に自らリフォームを行う場合(リフォーム一体タイプ)」と
「住宅事業者がリフォームを行った中古住宅を購入する場合(買取再販タイプ)」
があります。
また金利にもAプランBプランがありそれぞれのおもな特徴はつぎのようなものです。
金利Aプラン:当初5年間 金利円1.0%引き下げ
①住宅要件
次のいずれかに適合
- ✅省エネ性:一次エネルギー消費量等級5
- ✅耐震性:耐震等級3
- ✅バリアフリー性:高齢者配慮対策等級4以上
- ✅耐久性・可変性:長期優良住宅
②リフォーム規模要件
リフォーム金額300万円以上
リフォーム金額300万円以上
金利Bプラン:当初5年間 金利年0.5%引き下げ
①住宅要件
次のいずれかの工事が行われた住宅であること
- ✅省エネルギー改修工事・バリアフリー改修工事
✅省エネルギー設備設置工事 - ✅耐久性を向上させる工事
- ✅耐震改修工事
※住宅ローン減税等の対象と案るリフォームと同等で機構が定める工事
②リフォーム規模要件
リフォーム金額が200万円以上であること
支払い例
条件 借入額3000万円(融資率9割以下・借入期間35年・元利均等・ボーナス返済し
借入金利1.8%
フラット35 リノベ(金利Aプラン) | フラット35 リノベ(金利Bプラン) | |||
借入金利 | 当初5年間 年0.8% | 6年目以降 年1.8% | 当初5年間 年1.3% | 6年目以降 年1.8% |
毎月の返済額 | 81,918円 | 94,280円 | 88,944円 | 95,330円 |
総返済額 | 38,885694円 | 39,655,280円 |
イオン銀行 当初固定金利(3年)
年0.88%~(80%超える場合)
参考までに
イオン銀行の「住宅ローン リフォーム資金一括借入」で一括融資を受ける場合は3カ月以内に完了する300万円までのリフォーム工事が条件となります。300万円を超える工事は融資の住宅ローンとしての契約が2本となります。
まとめ

住宅ローンの枠組みでリフォーム、リノベーションの融資を行う金融機関では抵当権を設定する際の物件価値の判断が難しいところです。
「リフォーム一体型住宅ローン」という商品を用意している各金融機関でも担保価値の判断は金融機関にゆだねられているのが現状と言えます。
また多くの金融機関では「リフォーム一体型住宅ローン」というくくりではなく住宅ローンに中古住宅購入に加えてリフォーム工事の融資を受けられる商品構成となっていますが、現状その基準や詳細に関してはフラット35リノベのようには記載されておらず、相談を受けて審査をする流れが多いようです。
利用したい金融機関が事前にあるのでれば、その詳細や条件等を確認しておくことをお勧めします。
また、審査が通らない、必要額の融資の承認が受けられない場合も考えられますので、その場合はどうするかなども検討しておいた方が良いでしょう。
また、審査が通らない、必要額の融資の承認が受けられない場合も考えられますので、その場合はどうするかなども検討しておいた方が良いでしょう。